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町屋の再生



近江八幡市の住宅再生

古来からの伝統を守り、香りが漂うたたずまいの美しさを保ちながら、いくつもの時代・風土を生き抜いてきた築150年以上の町屋である。
それぞれの時代の補修によって意匠は異なるが、互いに調和していて素晴らしい。
この家は昔はかまどや囲炉裏を使用していた。
燃料の薪を燃やした時に出る煙にいぶされて、壁や天井が真っ黒になっていた。
最も古くから残っている部分が一番黒くなっている。
古い家だから虫の入ったところや傷んだところもあるが、強い魅力を感じた。
単に補修をするのではなく、時代の流れにあった町屋として甦らせたいと思った。
● 再生前
土間から居室を見ると奥に行くに従って軽いデザインになる、整った意匠である。


玄関から土間を見ると、大きい梁組み、太い大黒柱と、座敷周りとは異なった手法になっている。
土間を表裏に分ける、中仕切り格子戸。一直線に通さず半間ずらしてある面白い使い方である。


梁(はり)の仕口は、四方からかかる大きい梁の両側にビンタを付け、長いほぞにして貫通させ、はな栓止め、こみ栓止めがしてある。また小屋組(こやぐみ)は、小屋束(こやづか)が半間ごとに立ち、貫(ぬき)と壁で固めてある。
野地板に竹を多く用いている。興味深いつくりである。

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