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町屋の再生
● 再生後
近江八幡市の住宅再生


「保存すること」が目的ではない。
昔の建物を現在の技術や材料で甦らせる。

古色美仕上とは、ベニガラ(赤鉄鉱)、すす、からげし、炭、との粉などを調合した化粧の仕上

仕上
(外部) 瓦葺き(かわらぶき)、しっくい塗り、米松板張(べいまついたばり)など古色美仕上
(内部) 畳敷き、栗材、杉板張、しっくい塗り、和調塗り



● 再利用
古材や建具の再利用を心がけた。
格子間仕切り、建具、竹、野地などのほか、玄関戸、玄関、障子戸も利用した。
その一つ一つをとってみれば他人には価値のないものもあるだろうが、住み手が長年親しんできた愛着のあるものなので、少しでも残しておくべきだと考えた。
このように、再利用を行い時代に合わせて姿を変え、生き続けてきた建物は力強く感じる。
改築前は2階部分はむしこであった。むしこは居室ではないため天井が低く、一番高いところでもようやく背が立てる程度の高さしかなく、居住性が低かった。そこで、天井高を確保するために2階の床部分を下げることにした。

むしこは漢字では「虫籠」と表記する。
一般には「中2階にある、漆喰(しっくい)で塗り固めた縦格子の窓(のある家)」を指し、その由来は昔の虫かごに似ていることと言われているが、この説だと窓の形状が転じて建物の形状を表していることになる。